社長さん!!あなた逮捕されますよ!!26 ~不許可になってしまった場合の対応~

社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生です。

「不許可」の通知が届いた瞬間、頭が真っ白になる社長さんは多いです。「すぐに修正して再申請しよう」——その焦りが、二度目の不許可という最悪の結末を呼び込みます。

入管のデータベースには、過去の申請内容と審査過程がすべて記録されています。前回との矛盾は即座に「虚偽申請」の疑いに変わります。

今回は、不許可通知が届いた後に社長が踏むべき手順と、踏んではいけない地雷を整理します。

【この記事の重要ポイント】

  • 通知書の文面だけで再申請するのは自殺行為。まず「理由聴取」に行く
  • 不許可理由は3つに分類できる。勝算のある案件か、見極める
  • 「重大な虚偽申請」が原因なら、再申請しても許可は出ない
  • 深追いは会社の信用を削る。撤退も立派な経営判断

「すぐ書類を直して再申請します!」——その前に、入管へ理由を聞きに行ってください

不許可通知書には、「出入国管理及び難民認定法第〇条の要件に適合しない」といった形式的な文言しか書かれていません。これだけ読んでも、何がダメだったのか具体的にはわからない仕組みになっています。

具体的な不許可の原因を知るためには、管轄の入国管理局へ出向き、審査官から直接説明を受けます。これを「理由聴取」と呼びます。

原則として申請人本人(外国人)や雇用主が出頭しますが、専門的な法解釈が必要な場面が多いため、行政書士に同行してもらった方が安全です。

ここで重要なのは、審査官はコンサルタントではないということ。「どうすれば許可になりますか?」と聞いても、アドバイスはもらえません。聴取の場で徹するべきは「どの資料の、どの記述が、どの要件を満たさなかったのか」という事実関係の特定です。しかも、ハッキリと具体的な理由を教えてくれないこともあります。

そして、聴取の機会は原則として一度だけです。この一回で何を聞き出せるかが、再申請の可否を決めます。準備なしでフラッと行ってはいけません。

「とりあえず再申請」が一番危険。不許可理由を3つに分類して、勝算を計算する

聴取した内容に基づき、今回の不許可理由を3つに分類します。それぞれで対応がまったく違います。

分類 中身 対応
A. 立証不足 実態は要件を満たしているが、書類での説明や証拠が不十分 追加資料(写真、詳細な理由書、契約書等)を揃え、論理的に説明し直せば許可の可能性あり
B. 要件未達 本人の実務経験年数が足りない、会社が債務超過など、事実として要件を満たしていない 直近の再申請は断念。決算改善や経験年数の蓄積を待つ
C. 上陸拒否事由 過去の犯罪歴、オーバーステイ、重大な虚偽申請(経歴詐称等) 再申請しても許可の見込みなし。早期帰国の検討

多くの社長さんが落ちる罠は、Bの「要件未達」をAの「立証不足」と思い込んで再申請を強行することです。前提条件が変わらないまま何度出しても、結果は同じ。それどころか「同じ条件で何度も出してくる会社」として入管の心証が悪くなります。

また、そもそも申請の入口で要件を取りこぼしていないか——建設業許可、CCUS登録、JAC加入、ハローワーク求人など、申請前に整えるべき土台があります。これが欠けていると、何度書類を直しても結果は変わりません。

▷ 関連記事:Vol.47 書類不備で即不許可!申請前にクリアすべき「3つの法的インフラ」と「求人の罠」

「経歴をちょっとだけ盛って書きました」——それ、5年間の受入れ停止コースです

分類Cの「重大な虚偽申請」は、ほぼ全ての可能性を閉ざします。特に多いのは、経歴詐称、職歴の水増し、学歴の偽造、賃金台帳の書き換えなどです。

「実態に合わせて少し書類を直す」「審査が通りやすいように経歴を盛る」——現場でこういう判断が一度でも入ると、その記録は半永久的に残ります。前後の報告書、税務資料、他社から転籍してきた際の過去データと照合され、わずかなズレも露呈します。

そして、虚偽申請が原因で不許可になった会社は、「不正又は著しく不当な行為」として欠格事由に該当し、5年間、特定技能外国人を一切受け入れられなくなります。経営者が刑事罰(不法就労助長罪なら3年以下の懲役・300万円以下の罰金)を問われるケースもあります。

「現場が勝手にやった」「支援機関が作った書類だった」という弁明は、経営者の管理責任の欠如を証明するだけで、罰を回避する理由にはなりません。

▷ 関連記事:Vol.58 虚偽申請の代償。書類の「書き換え」と「黙認」が招く、刑事罰と5年間の受け入れ停止

「もう一回出せば通るかも」——その執着が、次の採用も止めます

分析の結果、リカバリーの見込みが薄い、あるいはリスクが高いと判断された場合、「不採用」や「帰国」という決断をすることも重要な経営判断です。

見込みのない再申請を繰り返すと、入管における当該企業の信用度に疑義が生じます。その結果、将来的に他の外国人社員を採用する際の審査まで厳格化される恐れがあります。一人を諦めなかったせいで、その後数年間の採用ペースが落ちる——これは経営的に最悪の結果です。

「今回は縁がなかった」と判断し、傷口を広げずに撤退することも、会社を守るための実務的な選択肢です。冷静に切り上げる勇気が、次の採用を生かします。

【まとめ】不許可通知が届いたら、社長が動く順番

  • 通知書の文面だけで推測せず、必ず入管へ出頭して理由聴取(ファクトチェック)を受ける
  • 不許可理由を「立証不足」「要件未達」「上陸拒否事由」の3つに分類し、勝算を計算する
  • 勝算が薄い案件は深追いせず、会社の信用と将来の採用枠を守るために撤退の判断を下す

【リスクを放置していませんか?逮捕されてからでは遅すぎます】

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