社長さん!あなた逮捕されますよ!!13 不法就労助長罪:「知らなかった」で済まないための最低限の確認実務
今回は外国の方を雇用するにあたり、最低限やっておかなければいけない確認事項について書いていきます。
不法就労助長罪(入管法第73条の2)には、過失がない場合に罰則を適用しないとする規定(同条第2項)が存在します。
しかし、実務はこの「過失がない」と認定されるハードルは極めて高いのが現実です。
どういうことかというと、単に
「偽造だとは知らなかった」
という弁明は通用しないと思っておいてください。
万が一の際、会社として
「雇用主として、客観的に確認を尽くしていた」
と主張するためには、最低限実施しておくべき実務上のステップを解説します。
1.「知らなかった」では免責されない現実
入管法第73条の2第2項では、過失がない場合に罰則を適用しないと定めていますが、ここでの「過失がない」とは、
「雇用主として、通常求められる確認義務をすべて果たしていたか」
が厳しく問われます。
調査に入る段階では、「確認不足=過失あり」とみなされるのが一般的です。
会社側は
「やるべきことはすべてやった」
という客観的な証拠を提示できなければなりません。
2.会社が尽くすべき「最低限の確認フロー」
少なくとも以下のプロセスを欠いている場合、過失を否定するのは極めて困難になります。
① 在留カード「原本」と「公式アプリ」による確認
コピーや写真の確認だけで採用を決めることは論外です。必ず原本を手に取り、以下の確認を行ってください。
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物理的な確認: ホログラムの輝き、傾けた時の色の変化など、入管が公表しているチェックポイントを確認します。
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デジタルでの確認(必須): 出入国在留管理庁が提供している公式アプリを使用し、ICチップ内の情報と券面の印字が一致するかを照合してください。
【出入国在留管理庁:在留カード等読取アプリケーション】
② 「就労制限」と「業務内容」の照合
カードが存在していても、その資格で自社の業務ができるとは限りません。
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裏面の確認: 資格外活動許可の有無や、就労制限の有無を正確に読み取ること。
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記録の保管: 確認時の在留カードの写し(両面)とともに、「いつ、誰が、どのアプリで真贋を確認したか」の記録を社内資料として残しておくことが重要です。
③ 組織的な「期限管理」
採用時だけでなく、在留期限の管理を組織として行っている実態が必要です。
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管理台帳の整備: 社員ごとの期限を一元管理し、期限が切れる前にアラートが出る仕組みを構築してください。期限切れ(オーバーステイ)のまま就労を継続させた場合、管理体制の不備として過失を問われる大きな要因となります。
3.最後に:経営者が肝に銘じるべきこと
最後になりますが、一点強く念押しさせていただきます。
今回挙げたプロセスをすべて実施していたとしても、それだけで確実に「過失がない」と認められるわけではない、ということを改めて申し上げます。
入管当局や捜査機関による判断は、事案ごとに極めて厳格に行われます。
「ここまでやったからもう安心だ」
と考えるのではなく、会社側には常に高度な注意義務が課せられ続けているという現実を、決して忘れないでください。
🏛️ 【まとめ】社長が徹底すべき「最低限の防衛ライン」
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「原本」+「公式アプリ」による二重確認 目視だけでなく、公式アプリでICチップ内のデータを必ず照合する。
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「就労範囲」の適正な把握と記録 在留資格と実業務が合致しているかを確認し、その証拠を保管する。
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「組織的・定期的」な期限管理 個人任せにせず、会社として全外国人社員の期限を網羅的に管理する。
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「過失なし」の認定は極めて困難であるという認識 対策は「万全」ではなく「最低限」であると自覚し、常に緊張感を持って運用する。
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