社長、あなた逮捕されますよ!! 38 ~業者に任せても責任は御社に!「名ばかり支援機関」の不履行リスクと連座制~
特定技能外国人を雇用する際、自社での支援が難しいため「登録支援機関」に業務を委託する企業が大半です。
インターネットで検索すれば、「月額2万円〜」「全部丸投げOK」といった格安の委託料を謳う業者が数多く見つかります。コストを抑えたい経営者にとって、こうした業者は魅力的に映るかもしれません。
しかし、多くの経営者がある重大な「法的勘違い」をしています。
それは、「委託契約を結べば、面倒な支援義務も、法律違反の責任も、すべて業者が負ってくれる」という誤解です。
今回は、入管法および運用要領に基づき、登録支援機関を選定する際のリスクと、受入れ企業(御社)が負うべき最終責任について解説します。
「委託」は「免罪符」ではありません
まず、大前提となる法律の構造をご理解ください。
入管法上、特定技能外国人に対する支援を行う義務者(実施義務者)は、あくまで「受入れ企業(特定技能所属機関)」です。
登録支援機関への委託は、その義務の「実施」を代行してもらっているに過ぎません。 法的には、「支援が適正に行われていない」と判断された場合の責任は、委託元である御社に残ります。
運用要領には、以下のように明確に示されています。
登録支援機関が支援を怠った場合、受入れ機関(企業)は支援計画に従った支援を行っていないとみなされ、出入国在留管理庁長官から「改善命令」の対象となる。
つまり、お金を払って委託した業者が手抜きをしていた場合、入管から処分を受けるのは業者ではなく、まず御社であるということです。
チェックすべき「手抜き」の3つのポイント
では、いわゆる「格安業者」や「名ばかり支援機関」は、具体的にどのような業務をサボる傾向にあるのでしょうか。 運用要領で定められた義務と比較し、以下の3点が守られているか確認してください。
1. 事前ガイダンス(入国前)
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【正しい運用】 外国人が母国にいる間に、テレビ電話や対面にて、労働条件や日本での生活について説明を行う義務があります。本人が十分に理解できるよう、**「3時間程度」**行うことが求められています。
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【手抜き事例】 資料をメールで送りつけ、「これ読んでおいて」で済ませる。これは支援不履行とみなされます。
2. 出入国の送迎
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【正しい運用】 入国時は空港から住居まで。帰国時は空港の「保安検査場の前まで」同行し、入場を見届ける必要があります。
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【手抜き事例】 「空港集合・空港解散」にする、あるいは「最寄り駅まで来させる」。これらは明確な運用違反です。
3. 3ヶ月に1回の定期面談
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【正しい運用】 3ヶ月に1回以上、支援責任者が外国人本人およびその上司と面談し、その結果を入管へ報告する義務があります。原則として「対面」で行う必要があります。
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【手抜き事例】 現地に行かず、電話やLINE、メールのやり取りだけで済ませ、報告書には「面談した」と虚偽の記載をする。
「業者が勝手にやった」では済みません
最も恐ろしいのは、これらの不履行や虚偽報告が発覚した際のペナルティです。
もし、委託した支援機関が定期面談を行っていないにも関わらず、虚偽の定期報告書を作成し、御社が(確認せずに)それを入管へ提出していた場合、どうなるでしょうか。
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改善命令・受入れ停止 改善命令に従わない場合、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。
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5年間の雇用禁止(欠格事由) 特定技能の取消し処分を受けると、御社は向こう5年間、特定技能外国人を受け入れることができなくなります。
「業者が勝手にサボっていた」「報告書が嘘だとは知らなかった」という言い訳は、入管には通用しません。監督責任は御社にあるからです。
また、支援機関が登録取消し処分を受けた場合、御社は「直ちに別の支援機関を探す」か「自社で支援を行う」必要があります。 後継が見つからなければ、雇用している外国人は働けなくなり、帰国させるしかなくなります。
まとめ:コストだけで選ぶと会社が傾きます
登録支援機関への委託料は、単なる「手数料」ではなく、**「御社のコンプライアンスを守るための保険料」**でもあります。
相場より極端に安い業者には、安いなりの理由(手抜き)が必ず存在します。 そのツケを払うのは、外国人本人であり、最終的には雇用主である御社です。
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現在契約している支援機関が、本当に対面面談に来ているか?
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報告書の内容は事実か?
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送迎や事前ガイダンスは規定通り行われているか?
不安な点があれば、セカンドオピニオンとして当事務所にご相談ください。 現在の運用状況が法的に適正かどうか、診断させていただきます。
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