社長さん!!あなた逮捕されますよ!!39 ~「日本人より安く雇える」は大嘘です!特定技能のコスト地獄と「違法天引き」の境界線~

「外国人を雇えば、人件費が安く済む」 「最低賃金でこき使って、家賃を高めに取れば元が取れる」

もし、いまだに昭和の感覚でこんなことを考えているなら、今すぐその考えを捨ててください。 特定技能という制度において、その思考は「自殺行為」です。

はっきり言います。 特定技能外国人は、日本人よりも「高い」です。

なぜなら、彼らには「日本人と同等の給与」に加え、企業が全額負担すべき「支援コスト」が上乗せされるからです。 このコスト構造を無視して、安易に給与から天引き(控除)を行えば、不法就労助長入管法違反で、社長の首が飛びます。

今回は、法律でガチガチに決まっている「会社が払うべき金」と「絶対に本人に払わせてはいけない金」の境界線を、残酷なまでに明確にします。


1. 「えっ、これも会社持ち?」給料から引いたら即アウトな費用

多くの社長がやりがちなのが、「支援にかかる経費」を本人に請求することです。 しかし、運用要領にはこう書かれています。

1号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に外国人に負担させることは禁止(登録拒否事由)

つまり、以下の費用を給与から1円でも引いたら、その時点で「不正行為」認定です。

  • 空港の送迎代: ガソリン代、高速代、電車の切符代。これらは全て「会社の経費」です。「お前のために迎えに行ってやったんだから」と請求するのは違法です。

  • 健康診断費用: 雇入れ時や定期健康診断の費用。労働安全衛生法上、事業者が負担すべきものです。

  • 事前ガイダンス・生活オリエンテーション費用: 通訳を雇った場合の費用も、当然会社持ちです。

  • (万が一の)帰国費用: 本人がお金を持っていなくて帰国できない場合、会社が航空券代を出して帰国させる義務があります。これを担保するための「強制積立」も禁止です。

「これじゃ割に合わない!」と思うかもしれません。 はい、特定技能とは、それだけのコストをかけてでも人を確保したい企業のための制度なのです。


2. 「日本人より安い給料」は通りません

「とりあえず最低賃金にしておけばいいだろう」 この考えも通用しません。

入管の審査基準は「同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上」です。

ここで重要なのは、「比較対象」です。 特定技能(特に技能実習からの移行組)は、すでに3年〜5年の実務経験を持つ「経験者」です。 「高卒の新入社員」と比較してはいけません。 「勤続3年目の日本人社員」と比較して、同等以上の給与設定が必要です。

  • 日本人には賞与(ボーナス)があるのに、外国人にはない。

  • 日本人には家族手当があるのに、外国人にはない。

これらに合理的な理由(責任の重さが全く違うなど)が説明できなければ、不当な差別的取扱いとして許可が下りません。


3. 「家賃でちょっと儲けよう」は命取り

一番バレやすく、一番摘発されているのが「住居費(家賃)のピンハネ」です。 会社が借り上げたアパートに住まわせる場合、給与から天引きできるのは「実費」までです。

【絶対NGな例】

  • 会社が家賃5万円のアパートを借りる。

  • そこに外国人2人を住まわせる。

  • 一人3万円ずつ、合計6万円を天引きする。

  • 差額の1万円を会社の「管理費・手数料」として懐に入れる。

これは完全にアウトです。 入管は審査の際、「賃貸借契約書のコピー」「雇用条件書(控除の協定)」を並べて、電卓を叩いてチェックします。1円でも会社が得をしていれば、許可は出ません。

水道光熱費も同様です。「面倒だから一律1万円引く」はダメです。 実際に請求が来た「実費」を人数で割って請求するか、完全に実費を超えない金額(例:一律3000円など)に設定しなければなりません。


4. 採用ルートの闇と「見えない借金」

最後に、採用コストの話です。 国内にいる留学生や技能実習生を採用する場合は比較的安価ですが、海外から呼び寄せる場合は注意が必要です。

現地の「送出機関」や「ブローカー」が関与する場合、彼らに払う紹介料もバカになりません。 ここで絶対にやってはいけないのが、**「外国人に借金を背負わせて来日させる業者」**と手を組むことです。

  • 「失踪したら罰金100万円」という裏契約がある。

  • 法外な手数料を外国人が払わされている。

これを知りながら(あるいは知ろうとせずに)雇用契約を結ぶと、欠格事由(5年間の受入れ禁止)に該当します。 「業者が勝手にやったこと」では済みません。


まとめ:見積もりが「甘い」と会社が潰れます

特定技能外国人を一人雇うコストは、 「(日本人と同等の給与)+(支援委託費 月2〜3万)+(送迎・健診などの経費)+(紹介料)」 です。

これを計算に入れず、「日本人より安く若手が雇える!」などという甘い言葉に乗せられて契約すると、後で**「こんなはずじゃなかった」と資金繰りに行き詰まるか、「違法天引き」**に手を出して逮捕されるかの二択になります。

コストに見合うだけの「即戦力」として彼らを活用できるか。 それとも、ただの「高い労働力」にしてしまうか。 それは、社長の覚悟と、適法な雇用契約書にかかっています。

「ウチの給与計算、家賃設定、本当に大丈夫か?」 不安になった社長は、雇用契約を結ぶ前に、必ず当事務所へご相談ください。ハンコを押してからでは遅いのです。

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