社長さん!!あなた逮捕されますよ!!~47~ 書類不備で即不許可!申請前にクリアすべき「3つの法的インフラ」と「求人の罠」
前回は「建設分野は半年かかる」というスケジュールの絶望についてお話ししました。
しかし、時間をかければ誰でも申請できるわけではありません。
建設分野の特定技能には、他業種にはない「入場チケット(必須要件)」が存在します。
これを持たずに申請しようとするのは、パスポートを持たずに空港に行くようなものです。
今回は、申請のスタートラインに立つためにクリアしなければならない
「3つの法的インフラ」
と、多くの社長が引っかかる「求人票の金額トラップ」について解説します。
【壁1】建設業許可(第3条第1項)
要件の概要:建設業許可がない会社(軽微な工事のみの会社)は、特定技能外国人を1人も雇えません。
特定技能外国人を雇用するための絶対条件、それは
「建設業法第3条第1項の許可」
を受けていることです。
「うちは500万円以下の軽微な工事しかしないから許可はいらない」
という理屈は、特定技能の世界では通用しません。
許可証(写し)は申請時の必須添付書類です。
-
必須要件:建設業許可(知事許可または大臣許可)を受けていること。
-
注意点:更新時期に要注意。審査期間(半年)の途中で許可が切れると、その時点で特定技能の審査もストップ(最悪は不認定)します。更新手続きは余裕を持って行ってください。
【壁2】CCUS(建設キャリアアップシステム)
要件の概要:会社と本人(技能者)のID登録が義務。「簡易型」で登録すると将来の更新で詰みます。
建設分野では、CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録が完全義務化されています。 「面倒くさい」では済みません。以下のポイントを絶対に押さえてください。
① 登録のタイミング(国内と海外の違い)
-
国内採用(技能実習からの切替など):申請時に登録完了(ID発行済み)が必須です。IDがなければ申請できません。
-
海外採用(新規入国):特例として、入国後(配属後)1ヶ月以内に登録すればOKです。ただし、会社の事業者IDは申請前に必須です。
② 「詳細型」で登録せよ!
ここが最大の落とし穴です。「とりあえず登録すればいいんでしょ?」と、
身分証だけで登録できる「簡易型」を選ぶと、後で痛い目を見ます。
特定技能の昇給要件(レベルアップ評価)に対応するには、資格証などを添付する「詳細型」での登録が強く推奨されます。
ここをケチると、次回のビザ更新時に「昇給の根拠がない」と判断されるリスクがあります。
【壁3】JAC(建設技能人材機構)への加入
要件の概要:加入は絶対条件。業界団体に属していない「一匹狼」の会社は、年間24万円のコストが発生します。
特定技能外国人を雇うすべての建設企業は、JAC(一般社団法人建設技能人材機構)に加入し、受入負担金を支払う義務があります。
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正会員団体の会員:自社が建設業協会などの「JAC正会員団体」に入っていれば、負担金は安く済みます。
-
賛助会員(個社加入):どこの団体にも属していない場合、JACに直接加入する「賛助会員」になる必要があります。
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コスト:年会費24万円(税別) + 受入負担金(月額・1人あたり)
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「特定技能のために年間24万円払えるか?」 このコストを事前に計算に入れておかないと、採用予算が完全に狂います。
【隠しトラップ】ハローワークでの求人実績と「賃金」
要件の概要:申請前1年以内に「日本人募集」の実績が必須。さらに「求人票の賃金」と「外国人の賃金」が矛盾していると即不許可です。
3つの壁を越えた先に、もう一つ落とし穴があります。
「国内人材確保の努力」です。
申請日から過去1年以内に、ハローワーク等で日本人向けの求人を出し、一定期間(原則2週間以上)募集した実績が必要です。
絶対にやってはいけない「賃金の矛盾」
ここで最も恐ろしいのが「金額の整合性」です。
-
ハローワークの求人:月給 25万円 で募集
-
特定技能外国人の契約:月給 22万円 で申請
これは
「不当な差別」とみなされ、即座に不許可になります。 ルールは
「求人票の条件 ≦ 特定技能外国人の条件」です。
「日本人が来ないから、安く外国人を雇おう」という考えは、入口で完全に封鎖されています。
まとめ:特定技能申請は「待ち時間」との戦い
建設分野での特定技能申請には、以下の準備が必要です。
-
建設業許可(更新時期の確認)
-
CCUS登録(詳細型でのID発行待ち)
-
JAC加入(会員証の発行待ち)
-
ハローワーク求人(掲載期間の終了待ち)
特定技能の申請は、書類を作る時間よりも、こうした**「各機関の手続き完了待ち(ID発行待ち)」**との戦いです。 「書類は1週間で作れますが、CCUSのID発行に1ヶ月待ちです」と私が伝えたとき、絶望する社長の顔を何度も見てきました。
だからこそ、今すぐ動いてください。「人が欲しい」と思った時には、もう手遅れなのです。
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