社長さん!!あなた逮捕されますよ!!22 ~定着と更新を左右する「生活・公的義務・トラブル」の管理実務~

今回は在留資格とは直接関係ないですが、後々の更新許可申請、変更許可申請、そして永住を考えていらっしゃる方には永住許可申請に関連していくことを書いていきます。

 在留資格の変更や更新が無事に許可され、晴れて入社日を迎えたとしても、そこで安心するのは時期尚早です。

 むしろ、外国人雇用における実務の本番はここから始まると言っても過言ではありません。

 日本の複雑な社会システムに不慣れな外国人を放置すれば、意図せぬ法令違反や、生活苦による早期離職、最悪の場合は犯罪トラブルへと発展するリスクがあります。

 本記事では、入社直後から会社が主導すべき「公的義務の履行」「生活基盤の確立」、そして「トラブル時の対応」について、包括的に解説します。

1. 公的義務の履行(社会保険と税金)

入管庁は現在、ビザの更新審査において「公的義務の履行状況」を極めて厳格に確認しています。以下の3点は、本人の意思に関わらず、会社が主導して管理すべき必須事項です。

  • 社会保険(健康保険・厚生年金)への加入 「本人が手取りを減らしたくないと言っている」「母国の年金があるから入りたくない」という要望は、一切認められません。正社員として雇用する以上、日本人と同様に加入が義務付けられています。未加入の状態では、次回のビザ更新は不許可となる可能性が極めて高いです。

  • 住民税の「特別徴収」 外国人が自分で納付書で払う「普通徴収」にしていると、制度への無理解から滞納し、ビザ更新時にトラブルになるケースが多発しています。会社が給与から天引きして納付する「特別徴収」へ切り替えることが、結果的に彼らの在留資格を守る最強の防衛策となります。

  • 「手取り額」の事前説明 多くの外国人は「額面給与=手取り」と考えて来日します。初任給で「なぜこんなに引かれているんだ!」と不信感を持たれないよう、入社時に「日本では給与の約15〜20%が税金と保険で控除されるが、それは医療や年金を受ける権利でもある」ことを、図解等を用いて丁寧に説明する必要があります。

2. 生活基盤の立ち上げ(住居・銀行・通信)

仕事以外の生活環境が整わなければ、業務への集中も期待できません。外国人特有の「契約の壁」を、会社がサポートする必要があります。

  • 住居の確保 日本の賃貸審査は外国人にとって非常に厳しく、「外国人不可」の物件も少なくありません。本人が探すのには限界があるため、会社が「法人契約」をして社宅として貸与するか、連帯保証人(または保証会社の手配)を引き受けるのが現実的です。

  • 銀行口座の開設 来日直後(6ヶ月未満)の外国人は「非居住者」扱いとなり、多くの都市銀行では口座開設が制限されます。給与振込口座を作る際は、ゆうちょ銀行を利用するか、会社が取引している銀行の担当者に事前に相談し、開設をサポートする同行支援が不可欠です。

  • 携帯電話と印鑑 連絡手段の確保も急務です。携帯電話の契約には在留カードと銀行口座、クレジットカードが必要になることが多く、手続きがループしがちです。また、日本社会で必須となる「印鑑(カタカナやアルファベットで作製したもの)」も、入社初日に用意させておくべきアイテムです。

3. トラブル・危機管理(紛失・事故)

予期せぬトラブルが発生した際、外国人社員はパニックに陥りがちです。会社として冷静な対処フローを共有しておく必要があります。

  • 在留カードの紛失 財布ごと紛失するケースが後を絶ちません。在留カードを紛失した場合、14日以内に入管庁で再交付申請を行う義務があります。まずは警察に遺失届を出し、その受理番号を持って速やかに入管へ行くよう指導してください。カード不携帯の状態が続くと、職務質問等で拘束されるリスクがあります。

  • 交通事故・自転車事故 日本の交通ルール(特に自転車)への理解が浅く、事故の加害者・被害者になるケースがあります。自転車保険への加入を義務付けるとともに、万が一事故が起きた際は、当事者同士で解決せず必ず警察を呼ぶこと、そしてすぐに会社へ報告することを徹底させてください。

  • 住所変更の届出 引越しをした場合、14日以内に役所で住所変更の手続き(転入届)をしなければなりません。これを怠ると、最悪の場合、在留資格が取り消される可能性があります。引越しの報告を受けた際は、「役所の手続きは終わったか?」と確認する癖をつけてください。

結論:初期の「過保護」は、将来の「自立」への投資

「仕事は教えるが、生活は自分でなんとかしろ」というスタンスは、外国人雇用においてはリスクしか生みません。 言葉も制度も分からない異国で働き始める彼らにとって、最初の1週間、会社がどれだけ親身になって生活の基盤作り(ライフラインの確保とルールの説明)に伴走したかが、その後の会社への帰属意識(エンゲージメント)と定着率を決定づけます。

面倒な手続きを最初に一気に終わらせ、憂いなく仕事に打ち込める環境を作ること。それが、経営者に求められる「外国人管理」の第一歩です。


まとめ:入社直後の管理チェックリスト

  1. お金の説明義務: 社会保険加入は絶対条件。「手取り」と「額面」の違いを入社前に合意しておく。

  2. 住まいの確保: 法人契約や保証人対応など、会社が主体となって住居を確保する。

  3. 14日ルール: 在留カードの紛失や住所変更は「14日以内」に手続きが必要だと徹底周知する。

  4. 納税管理: 住民税は「特別徴収(天引き)」に切り替え、ビザ更新時の未納トラブルを防ぐ。

 

 

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