社長さん!!あなた逮捕されますよ!!~54~ 「同じ工場だから」は通用しない。食品製造ラインの混在が招く、不法就労助長罪。

1. 「飲食料品」なら何でも良いわけではない

特定技能(飲食料品製造業)が従事できるのは、法で定められた特定の産業分野に限られます。

  • 対象外の地雷: 酒類、医薬品、あるいは単なる清涼飲料水の製造などは、この在留資格の対象外です。

  • 「選別・包装」の罠: 原料をただ選別する、あるいは梱包するだけの作業は「製造・加工」とみなされず、これに専従させることは認められません。

これらの「対象外ライン」に特定技能外国人を配置した瞬間、それは在留資格の範囲を超えた活動になります。

【根拠】飲食料品製造業分野運用要領 第3の1

2. 現場の「効率」が「不法就労助長」に変わる時

社長、特定技能外国人は「何でも屋」ではありません。

  • 罪名: 不法就労助長罪(入管法第73条の2)

  • 事実: 許可された分野以外のライン(例:酒類や医薬品、対象外の飲料等)に専ら従事させる行為は、不法就労をさせたものとみなされます。

「今日は惣菜の注文が少ないから」という現場判断が、経営者であるあなたを刑事罰の対象へと引きずり込みます。

3. 「5年間」の受入れ停止という死判決

この業務範囲外の就労が発覚した場合、罰金だけでは済みません。

  • 行政処分: 「不正又は著しく不当な行為」による欠格事由への該当。

  • 帰結: 処分から「5年間」、貴社は一切の特定技能外国人を受け入れることができなくなります。

工場全体の労働力を特定技能に頼っている場合、この5年間の空白は、事実上の廃業を意味するのではないでしょうか。

【根拠】共通運用要領 第5章 第2節 第1 (6) ⑪


■ 本日のまとめ:食品製造ラインの検品ポイント

  • 対象外ラインの特定: 酒類、医薬品、一部の飲料など、自社工場内に特定技能(飲食料品製造業)の対象外となるラインが混在していないですか。

  • 「応援」実態の把握: 現場の判断で、特定技能外国人が一時的であれ対象外ラインの作業に従事する慣習が定着していないですか。

  • 証拠書類の整合性: 作業マニュアル、シフト表、生産記録等において、特定技能外国人が許可された業務のみを行っていることを明確に証明できますか。

  • 管理責任の再認識: 「現場が勝手にやった」という言い訳は通用しません。指揮命令系統と配置の法的適合性を、経営者が最終責任を持って確認してください。