社長さん!!あなた逮捕されますよ!!~56~ 安易なコストカットの罠。健康診断・社会保険の「未実施」が招く、受入れ資格の剥奪。
「忙しくて健康診断に行かせる時間がない」
「社会保険料の負担が重いから、しばらくは様子を見たい」
こうした現場の「都合」による義務の懈怠(けたい)は、特定技能制度においては単なる事務ミスではなく、受入れ機関としての適格性を完全に失わせる致命的な違反行為です。社長、あなたが削ろうとした数万円のコストが、貴社の外国人雇用ラインを全滅させる引き金になります。
1. 「健康診断」は努力義務ではなく法的義務である
特定技能外国人の受入れに際し、1年以内ごとに1回の定期健康診断を実施することは、制度上の厳格な義務です。これは日本人の従業員と同様、労働安全衛生法に基づくと同時に、特定技能の運用要領でも明文化されています。
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実施時期の厳格性: 受入れ時だけでなく、継続的な実施と結果の管理が求められます。
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費用の負担: 特段の合意がない限り、業務の一環として行われる診断費用は事業主が負担すべきものです。これを外国人に自己負担させることは、実質的な賃金控除とみなされるリスクがあります。
入管への定期報告では、健康診断の実施状況を証明する書類の提出が求められます。「受診させていない」という事実は、即座に書類上で露呈します。
2. 社会保険の「未加入」は即座に欠格事由となる
社会保険(健康保険・厚生年金)および労働保険への加入は、特定技能外国人を雇うための「前提条件」です。「試用期間中だから」「本人が手取りを増やしたいと言っているから」という言い訳は、一切通用しません。
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「本人の希望」という嘘: 社会保険は強制加入であり、本人の同意の有無に関わらず、要件を満たす労働者は加入させなければなりません。これを怠ることは、社会保険料の支払いを免れる「不当な利益供受」とみなされます。
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他法令違反との連動: 社会保険料の滞納や未加入は、入管法だけでなく厚生年金保険法等の違反にも該当します。
入管は、日本年金機構等からの情報提供に基づき、法人の納付状況を厳格に照会します。未加入や滞納が発覚した時点で、貴社は受入れ機関としての資格を失います。
3. 「5年間の受入れ停止」という、あまりに重いコストカットの代償
これらの義務を怠った際に下される行政処分は、目先の節約額とは比較にならないほど過酷なものです。
健康診断の未実施や社会保険の未加入が発覚し、指導や是正勧告に従わない場合、貴社は「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為」を行ったとみなされます。これにより、特定技能所属機関としての欠格事由に該当し、**「今後5年間にわたる新規受入れ停止」**という重い処分が下されます。
現在雇用している特定技能外国人の在留更新も認められず、帰国や転籍を余儀なくされるため、貴社の労働力は根底から崩壊します。数人の保険料や診断代を惜しんだ結果、事業継続そのものが困難になる。これが「安易なコストカット」の帰結です。
■ 本日のまとめ:健診・社保の検品ポイント
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定期健康診断の確実な実施: 1年以内ごとに1回、すべての特定技能外国人に受診させていますか。また、その診断結果を適切に保管していますか。
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社会保険への即時加入: 雇用開始日から、遅滞なく健康保険・厚生年金・雇用保険への加入手続きを完了させていますか。
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保険料の適正な納付: 事業主負担分を含め、社会保険料の滞納がないですか。また、納付を証明する領収書や資料が直ちに提示できる状態にありますか。
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費用の不当な転嫁の排除: 法的に事業主が負担すべき費用を、外国人の無知に乗じて本人に負担させていないですか。
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「法令遵守」という経営基盤の再確認: 健診や社保は、外国人を「使い捨ての人工」ではなく「一人の人間」として雇用するための最低限の義務であることを自覚しましょう。
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