社長さん!!あなた逮捕されますよ!!vol62~「応援のつもり」が命取り!訪問介護へのヘルパー派遣で、社長が不法就労助長罪に問われる日~

社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生です。

「人が足りないから、ちょっと利用者さんの自宅まで行かせただけ」
「同じ法人の別施設に応援で出しただけ」
――その“ちょっと”が、5年間の特定技能受け入れ停止に直結することをご存じですか?

介護分野の特定技能は、他の分野と比べてもルールが独特で、しかも2025年以降、訪問系サービスの扱いが大きく動きました。「昔はダメだったけど今はいい」「条件を満たせばいい」――この“境目”を知らずに運用している事業所が、今まさに一番危ない時期です。

今回は、介護の社長さんが踏みがちな“4つの地雷”を、現場目線で整理していきます。

「派遣で受け入れただけなのに、なぜダメなんですか?」――介護は直接雇用オンリー

まず大前提です。特定技能制度において、労働者派遣の形態で外国人を受け入れられるのは「農業」と「漁業」の2分野だけです。

介護分野は、派遣という雇用形態そのものが告示で禁止されています。つまり、派遣会社から特定技能「介護」の外国人を送ってもらい、自施設で働かせる――これは、その時点でアウトです。「人材紹介会社」と「人材派遣会社」の区別がついていないまま契約書にサインしてしまう社長さんが、実は少なくありません。

違反が発覚すると、出入国管理上の不正行為として扱われ、以後5年間、特定技能外国人の受け入れが一切できなくなります。さらに、雇用の実態によっては不法就労助長罪として、社長個人が刑事責任を問われるリスクも出てきます。

「知らなかった」は通用しません。契約書の冒頭に「労働者派遣契約」と書いてあったら、その瞬間に立ち止まってください。

「掃除と送迎しかさせていません」――それ、完全に目的外活動です

特定技能「介護」で認められている業務の中心は、入浴・食事・排せつの介助といった身体介護です。これに加えて、レクリエーションの補助や物品の補充、簡単な清掃といった“周辺業務”は、日本人職員が通常やる範囲で「ついでに」やるぶんには問題ありません。

問題は、「周辺業務しかやらせていない」ケースです。

「日本語がまだ不安だから、当面は送迎と清掃だけ」
「利用者さんに慣れてもらうまで、洗濯と配膳だけ任せている」
――この運用、気持ちはわかります。でも制度上は完全にアウトです。

特定技能は「身体介護をする人材」として許可を出しているので、周辺業務“専従”にさせた瞬間、その在留資格は“名ばかり”になります。入管の実地調査でシフト表を見られれば、すぐに発覚します。「本人が身体介護をやりたくないと言っていて……」という弁解も通りません。制度の目的と違う使い方をさせている以上、責任は受入機関にあります。

「同じ法人の別施設に応援に出しただけです」――事業所の追加届出、してますか?

特定技能外国人が就労できるのは、事前に入管へ届け出た「就業場所」だけです。

ここを軽く見ている社長さんがとても多いです。「うちは同じ医療法人で、隣のデイも同じ経営だから、ちょっと手伝いに行かせただけ」――これもダメです。法人が同じでも、事業所が違えば、別の就業場所として扱われます。

本来であれば、就業場所を追加・変更するには、事前に特定技能雇用契約変更の届出や、新しい事業所の概要書の提出といった手続きを踏まなければなりません。この手続きをせずに別施設で働かせた場合、届出義務違反となり、これも5年間の受け入れ停止処分の対象になります。

「一時的な応援」「1日だけのヘルプ」も、入管から見れば同じです。法人単位ではなく、事業所単位で管理する――ここを徹底してください。

「訪問介護も解禁されたって聞きました」――その話、半分だけ本当です

2025年4月以降、特定技能1号の介護人材が、一定の要件のもとで訪問系サービス(訪問介護)に従事できるようになりました。ここまでは本当です。

ただし、「解禁=自由にやらせていい」ではありません。要件は、かなり厳格です。

  • 介護事業所等での実務経験が1年以上あること
  • 事前の研修(介護職員初任者研修の修了等)と、十分な同行訪問(OJT)を実施していること
  • ハラスメント対策や、緊急時の連絡体制を整備していること
  • 事前に介護分野の協議会で確認を受けていること

これらを全部クリアして、はじめて訪問介護に出せます。「来月から人が足りないから、いきなり訪問に出す」は不可能です。特に、実務経験1年・協議会での事前確認の2つは、今日の今日で揃えられるものではありません。

なお、本人が介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」に切り替えた場合は、これらの要件なしで訪問介護にも就けます。長く働いてほしい人材であれば、資格取得をサポートするほうが、結果的に安全で自由度も高い運用になります。

今回のポイントを3つに絞ります。

  • 介護分野は直接雇用のみ。派遣形態での受け入れは告示違反で、5年間の受け入れ停止
  • 周辺業務“専従”も、無届けの別施設応援も、同じく入管コンプライアンス違反
  • 訪問介護は解禁されたが、実務経験1年・協議会確認など要件は厳格。「解禁=自由」ではない

【もし運用に不安があっても、諦める前に「再構成」を】

介護分野の特定技能は、制度改正のスピードが速く、「数年前の常識」がそのまま違反になっているケースが本当に多い分野です。気づかないうちに届出漏れや目的外活動が積み上がっていて、次の更新で一気に崩れる――これが、私が現場で一番多く見てきたパターンです。

世田谷で10年、介護・特定技能の難案件を扱ってきた羽生が、現在の受け入れ状況を整理し、リスクのある運用を洗い出したうえで、次の一手をアドバイスします。

入管調査や更新で焦る前に、まずはLINEで現状を教えてください。一言相談からで大丈夫です。

▼LINEで「現在の運用リスク」を確認する(無料) https://lin.ee/nkKe0Kb