社長さん!!あなた逮捕されますよ!!30~外国人社員退職時の「入管への届出」に関する企業と個人の義務 ~
外国人社員が退職する際、労働施策総合推進法および出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づき、日本人社員とは異なる所定の手続きが必要です。
特に混同されやすいのが、
「会社が行うべき手続き(ハローワーク)」と、
「外国人本人が行うべき手続き(入管)」
の違いです。 会社側が適切な処理を行っていても、本人への案内が不足している場合、元社員が将来的なビザ更新や永住申請において不利益を被る可能性があります。
実務上、企業が認識しておくべき法的義務と、退職者へアナウンスすべき事項について解説します。
1. 企業の義務:ハローワークへの「外国人雇用状況届出」
結論:企業は、雇用保険の被保険者か否かに関わらず、退職日の翌月末日までにハローワークへ「外国人雇用状況届出」を行う義務があります。
企業がこの届出をハローワークに行うことで、その情報は国を経由して出入国在留管理庁(入管)へ通知されます。 したがって、原則として企業が独自に入管へ退職の届出を行う必要はありません。
-
雇用保険被保険者の場合: 「雇用保険被保険者資格喪失届」の備考欄等に必要事項を記載して提出することで完了します。
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被保険者でない場合: 「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を提出します。
※正当な理由なく届出を怠った場合、30万円以下の罰金の対象となります。
2. 本人の義務:入管への「契約機関に関する届出」
結論:企業の手続きとは別に、外国人本人は退職日から「14日以内」に入管へ「契約機関(所属機関)に関する届出」を行う法的義務があります。
ここが実務上の盲点となりやすい箇所です。 「会社がハローワークに届け出たから、入管への報告は完了している」と誤認する外国人が多いですが、入管法第19条の16により、中長期在留者には「個人として」の届出義務が課されています。
企業側は退職手続きの際、本人に対して「自分自身で入管への届出を行う必要がある」旨を周知することが推奨されます。
3. 届出義務違反によるリスク(特に永住申請への影響)
結論:本人が届出を怠った場合、次回の在留期間更新や、将来の永住許可申請においてマイナス評価(公的義務の不履行)を受ける可能性があります。
入管審査、特に永住許可の審査においては、法令遵守の状況が厳格に確認されます。 退職・転職の事実を14日以内に届け出ていない記録が残っている場合、「届出義務違反」として、審査上不利な扱いを受ける要因となります。
退職後のトラブルを未然に防ぐためにも、退職時のガイダンスとして本人にリスクを伝えることが望ましい対応です。
4. 具体的な届出方法(オンラインまたは郵送)
結論:入管窓口へ出向く必要はありません。「出入国在留管理庁電子届出システム」を利用すれば、スマートフォン等から即座に手続きが完了します。
退職者へ案内する際は、以下の方法を提示してください。
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電子届出システム(推奨): 入管の専用サイトで利用者登録を行い、退職日や企業名を入力するのみで完了します。24時間利用可能で、手数料もかかりません。
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郵送: 所定の届出書をダウンロードし、在留カードの写しを同封して東京出入国在留管理局(在留管理庁長官)宛てに郵送します。
【注意】 「特定技能」および「技能実習(育成就労)」の社員については、ハローワークへの届出とは別に、企業が入管へ「契約終了の届出」を14日以内に行うことが法律で義務付けられています。これを怠ると指導や欠格事由の対象となるためご注意ください。
【まとめ】退職時に確認すべきチェックリスト
コンプライアンス遵守の観点から、以下の2点をご確認ください。
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【自社の手続き】 退職する外国人社員について、ハローワークへ「外国人雇用状況届出」を遅滞なく行ったか。(退職日の翌月末日まで)
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【本人への案内】 退職日から14日以内に、本人自身が入管へ「契約機関に関する届出」を行う必要があることを伝えたか。
企業としての義務を果たすとともに、元社員が将来の審査で不利益を被らないよう正確な情報を伝えることは、適正な雇用管理の一環といえます。
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