社長さん!!あなた逮捕されますよ!!32 ~外国人雇用の全ステップ・社長がやるべき手続きリスト(採用から退職まで) ~
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生です。
「外国人を雇いたいけど、何をすればいいかわからない」——そう思っているうちに、気づかぬまま違法状態になっているケースが後を絶ちません。
採用から退職まで、手続きのどの段階にも「やらかしポイント」があります。今回はそれを時系列でまるごと整理します。
このシリーズではここまで、外国人雇用にまつわる個別の注意点をひとつひとつ解説してきました。
今回は総まとめとして、「いつ、何をすべきか」を採用から退職まで一気通貫で整理したチェックリストです。
マニュアル代わりにブックマーク保存して、必要なタイミングで該当箇所を確認してください。
Contents
■ STEP 1:面接・採用内定フェーズ——「入り口」を間違えると全部やり直し
採用を決める前の「入り口」でのチェックが、最も重要です。ここで法的に無理な人材を選んでしまうと、その後の申請はすべて徒労に終わります。
✅ 在留カードの現物確認(偽造チェック)
面接に来た外国人が、本当に就労可能な在留資格を持っているかを確認します。写真やコピーではなく、必ず在留カードの原本を手に取り、偽造でないかチェックしてください。
- 確認点:「就労制限の有無」欄に何と書かれているか。有効期限は切れていないか。
- ツール:出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」でのICチップ確認を推奨します。
▷ 関連記事:Vol.4 ~在留カードについて~
✅ 面接での質問事項とNG対応
日本人と同じ感覚で質問してはいけません。ビザ申請に必要な情報(学歴・職歴・犯罪歴)を聞き出す一方で、差別につながる質問は避ける必要があります。
- 必須質問:最終学歴(卒業証書の有無)、専攻内容、過去の退去強制歴の有無。
- 専門卒の注意点:専門学校卒(専門士)の場合、「専攻」と「業務内容」が完全に一致しないとビザは降りません。
■ STEP 2:雇用契約・ビザ申請フェーズ——書類の質が許可・不許可を分ける
内定を出したら、入管への申請準備に入ります。ここでの書類作成がビザの合否を分けます。
✅ 雇用契約書の作成
「日本人社員と同じ契約書」では不十分です。外国人特有の記載事項や、ビザが不許可だった場合の「停止条件(内定取り消し)」を盛り込む必要があります。
- ポイント:労働条件通知書は、本人が理解できる言語(母国語または英語)での交付が望ましいとされています。
✅ 「理由書」の作成(法的立証)
申請書類の中で最も重要なのが「雇用理由書」です。単なる作文ではなく、入管法に適合していることを証明する法的文書です。
- 注意点:ネットの雛形をコピペしないこと。過去の申請内容や公的資料との整合性が命です。
▷ 関連記事:Vol.31 ~雇用契約書・理由書について~
✅ 高度専門職(ポイント制)の検討
優秀な人材の場合、「高度専門職」ビザの利用を検討します。ただし、ポイント計算は自己判断厳禁です。
- 落とし穴:「年収300万円の下限」や「証明書のない経歴」によるポイント否認に注意。
■ STEP 3:入社後の管理・更新フェーズ——「放置」が一番危ない
ビザが許可されて入社した後も、管理業務は続きます。更新忘れや業務内容の変更には細心の注意が必要です。
✅ 在留期限の管理と更新手続き
ビザには期限があります。「うっかり失効」するとオーバーステイ(不法滞在)となり、即解雇・強制送還です。
- タイミング:在留期限の3ヶ月前から更新申請が可能です。余裕を持って準備を開始してください。
✅ 家族の呼び寄せ(家族滞在)
社員から「妻や子供を呼びたい」と相談された場合の対応です。
- 確認点:呼べるのは「配偶者と子」のみ。親は呼べません。また、扶養能力(年収)や住居の確保も審査対象です。
✅ 不法就労助長罪の防止(コンプライアンス)
「通訳で雇って現場作業をさせる」などの偽装雇用は犯罪です。
- リスク:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。知らなかったでは済まされません。
■ STEP 4:退職・トラブル対応フェーズ——最後まで気を抜くと会社ごと傷つく
退職時にも独自のルールがあります。最後まで適法に処理することで、会社の評判と元社員の未来を守ります。
✅ 退職時の入管への届出(14日以内)
ハローワークへの届出だけでなく、入管法上の届出が必要です。
- 会社の義務:ハローワークへ「外国人雇用状況届出」。
- 本人の義務:入管へ「契約機関に関する届出(14日以内)」。本人に必ず伝えてください。
▷ 関連記事:Vol.30 ~外国人社員退職時の「入管への届出」に関する企業と個人の義務~
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【まとめ:外国人雇用は「知らなかった」では済まされません】
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入口が命:在留カードの原本確認と学歴チェックを徹底してください。コピーや画像では偽造を見抜けません。
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書類の質:雇用契約書と理由書は「日本人と同じもの」では通りません。外国人雇用専用の法的ロジックが必要です。
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継続管理:退職時まで入管への届出義務があります。本人任せにせず、会社として必ず確認してください。
ひとつひとつは小さな手続きですが、その抜け漏れが積み重なって「不法就労助長罪」などの刑事罰に直結する。それが外国人雇用の怖いところです。
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