経営管理ビザ更新の必要書類、労働保険料等納入証明書は郵送のみ/社長さん!!あなた逮捕されますよ!!Vol.69

社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生(はぶ)です。

今回も、逮捕の話ではありません。経営・管理ビザの更新で、多くの社長さんが最後の最後につまずく「書類の取り方」の話です。

2025年10月の改正で、更新のときに出す書類が一気に増えました。ところが社長さんの多くは「書類なんて、そろえれば出るでしょ」と思っています。そこが落とし穴です。この1枚は、今は思ったように手に入りません。

実は、専門でやっている私自身が、これで一度ヒヤッとしました。外国人雇用・入管業務を専門に東京・世田谷で10年やってきた行政書士として、その失敗も含めてお話しします。

【この記事の重要ポイント】

「前と同じで、労働局の窓口ですぐもらえるでしょ?」──東京は郵送のみの受付に変わりました

経営・管理ビザの更新を過去にやったことがある社長さんほど、この勘違いをします。「前回は労働局の窓口で、その場でもらえた。今回も同じでしょう」と。

正直に書きますが、私自身がこれでヒヤッとしました。以前は東京労働局に出向けば窓口で受け取れたので、その感覚のまま準備を進めていたんです。ところが調べ直したら、郵送のみの受付に変わっていた。慌てて郵送で出し直して、期限にはなんとか間に合いましたが、余裕はほとんど残りませんでした。専門でやっている人間でも足元をすくわれるくらい、静かに運用が変わっていたということです。

これは私の体験談ではなく、東京労働局が公式ページに明記しています。様式と記入例も同じページからダウンロードする形になっているので、更新の準備に入る前に一度開いておいてください。

▷東京労働局「労働保険料等納入証明について」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudou_hoken/nounyu_shoumei.html

結論:東京では、労働保険料等納入証明書の「窓口でその場で受け取り」は終わりました。郵送で取り寄せる前提でスケジュールを組んでください。

「証明書1枚、すぐ届くでしょ?」──取得先は5か所に分かれています

次にやりがちなのが、「1枚くらい、2〜3日で届くだろう」と時間を甘く見ることです。

まず前提として、更新で求められる公租公課の証明書は1枚ではありません。出入国在留管理庁は、取得先をこう案内しています。労働保険は都道府県労働局、社会保険は年金事務所、源泉所得税・法人税・消費税は税務署、法人住民税は都道府県の税事務所と市区町村。窓口が5か所に分かれています。

そのうえで、労働保険料等納入証明書は郵送のみ。切手を貼った返信用封筒を同封して送り、向こうで処理されて返ってくるのを待つことになります。実務の体感では、申請から手元に届くまで1〜2週間みておいたほうがいい書類です。年度更新の時期と重なれば、さらに延びます。

しかも入管庁は、Q&Aで「納付が義務づけられているものは全て提出が必要」と明言しています。1枚だけ出して済ませる、という逃げ道はありません。5か所を同時並行で走らせる前提で段取りを組む必要があります。

そして当然ですが、そもそも未納があれば、この証明書は「未納あり」の状態で出てきます。取り寄せる前に、払えているかどうかの確認が先です。

▷関連記事:経営管理ビザ更新で不許可になる本当の理由は社会保険・税金の未納です

結論:公租公課の証明書は5か所から集める必要があり、労働保険の分だけで1〜2週間かかります。一番遅い書類に全体が引きずられると考えてください。

「常勤職員は1人いるから大丈夫でしょ?」──”常勤”の中身が細かく決まっています

ここでよく聞かれるのが、「うちは従業員がいるから常勤職員の要件はクリアだよね」「賃金台帳って、全員分そろえるの?」という質問です。

まず安心材料から。入管庁は、常勤職員が複数いる場合でも全員分の書類提出は必要ない、少なくとも1名が基準を満たすことが確認できれば差し支えない、と答えています。全社員分の記録をかき集める必要はありません。

ただし、その1名について求められる「常勤」の中身は、かなり具体的です。入管庁が示している判断材料はこうです。週の労働日数が5日以上かつ年間217日以上で、週の所定労働時間が30時間以上であること。雇用保険の被保険者であること。6か月継続勤務で8割以上出勤した職員に、10日以上の年次有給休暇が与えられること。加えて、在籍出向・派遣・請負の形で働いている人は、その事業所の常勤職員とは見なされません。

つまり、これらを裏づける記録――雇用契約書、賃金台帳、出勤の記録、社会保険や雇用保険の加入記録――が、1人分でいいので整合した状態でそろっている必要があります。日頃つけていない会社ほど、ここで止まります。「1名分でいい」は、「1名分は完璧に出せる」という意味です。

結論:賃金台帳は全員分ではなく、常勤職員1名分で足ります。ただしその1名について、契約・給与・勤務日数・保険加入が矛盾なく説明できる記録が必要です。

「最悪、期限直前に走ればなんとかなる」──申請そのものが後ろ倒しになります

最後が、一番怖いところです。「ギリギリになったら全力で走ればいい」と考えていませんか。

更新申請は、在留期限が来る前に余裕をもって出すのが大前提です。ところが今は、郵送でしか取れず1〜2週間かかる書類があり、集める窓口も5か所に増えています。ここでどれか1つが遅れれば、書類一式がそろわず、申請そのものが後ろに倒れます。

さらに、未納が見つかった場合は「納付する → 納付済みの証明書を取り直す」という工程が丸ごと追加されます。期限直前にこれが発覚すると、時間が足りません。

逆に言えば、早く動いた社長さんは、未納が見つかっても手を打てます。差がつくのは書類の巧拙ではなく、着手した日です。

結論:経営・管理の更新は、在留期限の2〜3か月前から動いてください。起点は、一番時間のかかる労働保険の証明書です。

要するに、これだけ覚えておけば大丈夫です

  • 東京の労働保険料等納入証明書は郵送のみの受付。窓口でその場で受け取ることはできません。
  • 公租公課の証明書は労働局・年金事務所・税務署・都道府県税事務所・市区町村の5か所から集め、義務づけられているものは全て提出が必要。
  • 常勤職員の賃金台帳等は1名分で足りるが、その1名の常勤性は完全に立証できる状態にしておく。動き出しは在留期限の2〜3か月前。

 

 

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