不法就労助長罪で営業許可が取消しに?欠格事由追加の報道を解説| 社長さん!!あなた逮捕されますよ!!Vol67
はぶ行政書士事務所の羽生です。
今日の話は、まだ「決まった制度」ではありません。
2026年7月11日に報じられた、これからの動きの話です。
ただ、外国人を雇っている社長さんには、決まる前の今こそ知っておいてほしい内容なので、報道段階だとお断りした上でお伝えします。
この報道の肝は、ひとつです。
不法就労助長罪で摘発されると、本業の営業許可そのものを失う可能性がある──その入口が、今より広がる方向に動き出した、ということ。
「外国人の在留資格の問題」だと思っていたものが、
会社が事業を続けられるかどうか
の問題に直結してくる、という話です。
報じたのは読売新聞。
不法就労助長罪の処分歴を、事業の許認可を受けられない「欠格事由」に追加するよう、入管庁が関係省庁に業種ごとの法改正を要請する方針だ、という内容です。
あくまで「要請する方針」の段階で、法改正が決まったわけではありません。それでも、外国人を雇うすべての社長にとって、見過ごせない一報です。
私は、外国人雇用・入管を専門に、世田谷で10年近くこの仕事をしています。日々の相談現場で見てきたことも交えて、”今わかっていること”として整理します。
まだ確定していないからこそ、今のうちに読んでおいてください。
【この記事の重要ポイント】
- 「うちは外国人の在留資格の話でしょ?」──いいえ。摘発されれば、本業の営業許可を失う可能性があります
- 「まだ決まってない話なら、関係ないよね?」──報道ベースです。でも私は「十分ありえる」と見ています
- 「うちはヤードじゃないから大丈夫」──対象業種はまだ決まっていません。だから他人事にしないでください
- 「で、社長は何をすればいい?」──今日からやることは3つです
Contents
「うちは外国人の在留資格の話でしょ?」──いいえ。摘発されれば、本業の営業許可を失う可能性があります
まず、社長さんがやりがちな勘違いから。
「不法就労助長罪って、外国人のビザの問題でしょ。うちの本業の許可とは別の話でしょ」──
これです。
じつは、この2つは別の話ではありません。順番に見ていきます。
まず「今」の話。多くの業種の許認可には「欠格事由」というものがあり、その典型が「拘禁刑以上に処せられた者には許可を与えない/持っている許可も取り消す」という仕組みです。
たとえば建設業許可では、罪名を問わず拘禁刑以上になれば欠格事由に該当し、許可が取り消されます。執行猶予が付いても、猶予期間が終わるまでは欠格です(=実刑にならなくても許可は飛ぶ)。
ここで不法就労助長罪です。
この罪の現行の法定刑は「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」。
拘禁刑(身柄を拘束する刑)が最初から用意されている罪です。
組織的・常習的に不法就労をさせていた、パスポートを取り上げて支配下に置いていた、入管の指導を無視し続けた──こうしたあまりに悪質なケースでは、取締役本人が逮捕・起訴され、拘禁刑(執行猶予付きを含む)が言い渡されることが現実にあります。
そして拘禁刑がつけば、いま説明した欠格事由に当てはまり、
今の法律でも、本業の営業許可を失う可能性があります。
「外国人の在留資格の問題」が、そのまま「会社が営業できるかどうか」に跳ね返ってくるわけです。
ただし今の時点では、ここまで来るのは拘禁刑がつくような重いケースに限られます。
厳密には、欠格の引き金は「拘禁刑以上の判決」であって逮捕そのものではありません。
逮捕・起訴の段階ではまだです。
ただ、逮捕されるような悪質ケースはそのまま拘禁刑につながりやすい、というのが実態です。
なお、労働者派遣業・有料職業紹介業などは、不法就労助長罪については罰金刑だけでも今すでに欠格事由とされており、より厳しい扱いになっています。
次に「報道どおりになったら」の話。
今回報じられた方針は、この欠格事由の対象を広げる方向のものです。
不法就労助長罪の処分歴そのものを、業種ごとの許認可の欠格事由に加える──もしそうなれば、これまで拘禁刑がつくような重いケースに限られていた「営業許可を失う」入口が、より広い範囲に広がりうる、ということになります。
どの処分歴で、どの業種で、どこまで対象になるかは、まだ何も決まっていません。あくまで「そういう方向に広がりうる」という段階の話です。
結論を一文で。
不法就労助長罪は「外国人のビザの問題」では終わらない。今でも重いケースでは本業の営業許可を失う可能性があり、その入口が今回の報道でさらに広がろうとしています。
「まだ決まってない話なら、関係ないよね?」──報道ベースです。でも私は「十分ありえる」と見ています
「要請する方針、ってことはまだ何も決まってないんでしょ?」──はい、そのとおりです。ここは正直に言います。現時点では報道ベースの話であり、入管庁からの公式発表はなく、法改正が確定したわけでもありません。どの業種が対象になるか、欠格期間が何年になるか、いつ施行されるか──何も決まっていません。この記事も「決まった」とは一切書きません。
そのうえで、これは私の憶測ですが、実務側の人間としての見立てを言わせてください。
今の政権の動きを見ていると、外国人政策は規制強化の方向が続いています。不法就労する外国人本人だけでなく、「雇う側」「儲ける側」への締め付けが強まる方向は、十分ありえる
と私は見ています。
参考になるのは、すでに確定している動きです。不法就労助長罪の法定刑は、現行「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)」ですが、
2027年4月1日からは「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)」に引き上げられることが決まっています。
罰則の引き上げが先に確定していて、その次の一手として「欠格事由への追加」が報じられた──私には、流れがつながっているように見えます。
結論を一文で。
まだ報道段階ですが、規制強化の流れを踏まえると、「決まってから考える」では対応が間に合わなくなるおそれがあります。
「うちはヤードじゃないから大丈夫」──対象業種はまだ決まっていません。だから他人事にしないでください
報道の中で名指しされたのが、車を解体・保管する「ヤード」と呼ばれる作業場です。不法就労の温床と指摘されており、廃棄物処理法は環境省、自動車リサイクル法は経済産業省、古物営業法は警察庁と、所管がバラバラなことも取締りを難しくしてきた、と報じられています。
ヤードをめぐる問題は、テレビや新聞でもたびたび取り上げられています。盗難車の解体や不法就労の拠点になっている実態が報じられており、外国人雇用の実務に関わる立場から見ても、こうした報道が大げさだとは思いません。
ただ、ここで「うちはヤードじゃないから関係ない」と思った社長さん。それは早合点かもしれません。
報道によれば、入管庁は今後
「不法就労の事例が多い業種」の実態調査を行った上で、関係省庁と協議する
ことを検討しているとされています。
つまり報道の書きぶりからは、対象がヤード関連だけに限られるとは読めません。
あくまで私の想像ですが、不法就労の摘発事例が多い業種──たとえば建設や飲食など──に広がっていく可能性は否定できないと考えています。
結論を一文で。
対象業種は何も決まっていない──だからこそ、「ヤードの話」と片付けず、外国人を雇うすべての社長が自分事として見ておくべきニュースです。
「で、社長は何をすればいい?」──今日からやることは3つです
「そうは言っても、決まってないんだから打つ手もないでしょ」──いいえ、あります。むしろ決まる前の今だからこそ、やることはシンプルです。
1つ目、
在留カードの確認体制を今すぐ見直すこと。
不法就労助長罪は「知らなかった」では済みません。
確認を怠った過失があれば処罰の対象になります。
原本確認・在留資格と業務内容の照合・期限管理。この基本ができていない会社は、欠格事由の議論以前に、今この瞬間もアウト予備軍です。
2つ目、「不法就労助長罪は本業の許可に直結する」という前提で、リスクを見直すこと。
摘発されれば、刑事罰だけでなく本業の営業許可まで失いかねない。
罰則自体も2027年4月から5年・500万円に上がることが確定しており、そこに欠格事由の拡大が乗れば、リスクの桁が変わる可能性があります。
3つ目、今後のニュースに注目しておくこと。
報道どおりに進むなら、実態調査→省庁間協議→各業法の改正、という順番で動いていくと私は見ています。
自分の業界の法律に「不法就労助長罪」の文字が入る改正案が出てきたら、それが本番の合図です。私もこのブログで追いかけて報告しますが、社長さん自身もアンテナを立てておいてください。
結論を一文で。やるべきことは「在留カード確認体制の総点検」と「ニュースの継続ウォッチ」──この2本立てです。
【この記事のまとめ】
- この報道の肝は、不法就労助長罪で摘発されると本業の営業許可を失う可能性がある、という点。今でも、悪質で取締役が逮捕・拘禁刑(執行猶予含む)になれば、建設業など多くの業種で許可が取り消され、営業できなくなる可能性がある
- 入管庁が、この処分歴を許認可の「欠格事由」に追加するよう関係省庁に法改正を要請する方針と報じられた(2026年7月・報道ベースであり未確定)。実現すれば、これまで重いケースに限られていた「営業許可を失う」入口が、より広い範囲に広がりうる。罰則自体も2027年4月1日から「5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金」への引き上げが確定済み
- 今やるべきは、在留カード確認体制の総点検と、今後の法改正ニュースの継続チェック
【「うちは大丈夫か?」と思ったら、その直感は当たっています】
外国人雇用のコンプライアンス違反は、「知らなかった」では済まされません。経営者本人が刑事責任を問われる例が、現実に起きています。
でも、この記事を読んでいる時点で、あなたはまだ間に合う側にいます。対応は早いほど、打てる手が残ります。
PCでご覧の方・状況を詳しく書きたい方は、フォームからどうぞ(24時間受付・はぶが直接返信)
▶ フォームで相談する
お急ぎ・立ち入り調査など緊急時はお電話を
▶ 03-6326-6602(平日10〜18時)
ご相談だけで終わっても、費用は一切かかりません。
〔ここから先は、相談のあと・必要になった場合だけの話です。今すぐ申し込むものではありません〕
| ステップ | 内容 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 1. コンプライアンス診断 | 現状のリスクを調査し、改善点を特定 | 33,000円 |
| 2. 適正化・書類作成 | 適正な書類と管理体制を再構築 | 66,000円 |
| 3. 申請・管理代行 | 入管対応からその後の更新まで並走 | 33,000円 |
