社長さん!!あなた逮捕されますよ!!17 ~在留資格変更申請について1~
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生です。
「採用が決まった。あとは入社日までに手続きしてもらえばいいだけだろう」
その認識が、内定を出した留学生や転職者を不法就労させる直接の引き金になります。
在留資格変更申請は、「書類を揃えて出す」だけの話ではありません。審査に落ちれば、その外国人は日本にいられなくなる。それが現実です。
Contents
【この記事の重要ポイント】
- 「変更」は一からの審査。不許可=即帰国準備になるリスクがある
- 4月入社なら1月末が事実上のデッドライン。遅れた申請は不法就労を招く
- 「専門性と学歴の関連性」がないと、どんな優秀な人でも不許可になる
- 審査対象は外国人本人だけでなく、雇用する「御社」も含まれる
「変更するだけでしょ?」——在留資格変更が「一からの審査」である理由
在留資格変更許可申請は、手続きの名前こそ「変更」ですが、実態は既存の在留資格を一度リセットして、まったく新しい活動内容で再審査を受けるものです。
留学生が就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)へ切り替える場合、入管は「学生として滞在させる根拠」を終了させ、「その会社で、その職務に従事する社会人として滞在させてよいか」を一から判断します。
審査の結果、不許可になった場合はどうなるか。本人はその時点で在留の根拠を失います。卒業済み・前職退職済みであれば、再申請が通らない限り帰国準備に入らなければなりません。採用した社長にとっても、その外国人にとっても、取り返しのつかない事態です。
「単なる事務手続き」という感覚は、今すぐ捨ててください。
「まだ時間があるから大丈夫」——4月入社の1月末デッドラインを知らない社長の末路
4月1日入社を予定している外国人がいる場合、入管庁は12月1日から1月末の間に申請を行うよう推奨しています。
年度末は窓口が極めて混雑し、通常の審査期間を大幅に超えるのが常態化しています。1月末以降に申請した場合、入社日までに審査結果が出ないリスクが一気に高まります。
では、ビザが下りないまま4月1日に入社させたらどうなるか。不法就労です。雇用した社長は不法就労助長罪に問われます。入社日の延期を余儀なくされれば、採用計画だけでなく現場のオペレーション全体に支障が出ます。
「役所に出した」ではなく「いつ出すか」を逆算して管理することが、経営者の仕事です。
▷ 関連記事:Vol.58 虚偽申請の代償。書類の「書き換え」と「黙認」が招く、刑事罰と5年間の受け入れ停止。
「うちの仕事に使えそうだから採用した」——専門性と学歴の関連性という壁
技術・人文知識・国際業務ビザへの変更審査において、最も不許可の原因になりやすいのが「職務の専門性」と「学歴との関連性」です。
具体的には次の2点が問われます。
- 専攻との一致:本人が大学等で学んだ内容と、入社後に従事する業務に関連性がなければ許可は下りません。理系専攻なのに総務・経理担当、文系専攻なのにシステム開発、といったケースは要注意です。
- 単純労働の禁止:専門職採用の名目であっても、実態がライン作業・接客・配送・清掃などであれば不許可になります。アルバイト時代に許容されていた業務でも、正社員としての変更申請では「専門性」の基準で厳しく再評価されます。
「採用してから考えれば何とかなる」は通りません。内定を出す前の段階で、業務内容と本人の学歴・専攻の対応関係を整理しておくことが必須です。
▷ 関連記事:Vol.61 「4月15日から書類が変わった、知らなかった」では済まない話――技人国カテゴリー3・4の新ルール
「うちは普通の会社だから問題ない」——審査は外国人だけでなく「御社」も対象です
変更申請の審査は、外国人本人だけを見るものではありません。受け入れ企業側も、以下の3点について精査されます。
- 事業の安定性と継続性:直近の決算書をもとに、外国人を適正に雇用し続けられる財務基盤があるかが確認されます。赤字続き・設立間もない会社は特に注意が必要です。
- 報酬の妥当性:同職種の日本人社員と同等以上の報酬が支払われているかどうか。「外国人だから安くていい」は通じません。
- 職務の発生根拠:申請書に書いた職務内容を遂行するだけの業務量が、組織内に恒常的に存在するかどうか。「とりあえずこの仕事をやってもらう予定」レベルでは通りません。
一度不許可になった履歴は入管庁に記録されます。再申請では、前回の不許可理由を完全に払拭する論理的な説明が求められます。最初から正確に準備することが、結果として最短ルートです。
▷ 関連記事:Vol.55 依然として繰り返される「最大の勘違い」。日本人との賃金格差が招く、受入れ資格の剥奪。
【この記事のまとめ】
- 在留資格変更は「名称変更」ではなく一からの再審査。不許可=帰国準備というリスクを常に意識すること
- 4月入社なら1月末が実質的な申請リミット。遅れれば不法就労・採用計画崩壊につながる
- 専攻と業務内容の関連性、単純労働でないことの証明が不許可を防ぐ最大のポイント
- 審査は外国人だけでなく会社の財務・賃金・業務量も対象。「普通の会社」では安心できない
【リスクを放置していませんか?対応は早いほど選択肢が残ります】
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