社長さん!!あなた逮捕されますよ!!31 ~雇用契約書について~
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!
はぶ行政書士事務所の羽生です。
「日本人と同じ雇用契約書でいいだろう」——その一枚が、ビザ不許可と労務トラブルの両方を同時に引き寄せます。外国人を雇う以上、契約書には日本人採用とは別の「3つの急所」があります。知らずに済ませれば、入管審査で落とされ、入社後に訴訟リスクを抱えることになります。
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「〇月〇日入社」と書いたら、ビザが落ちても給料を払わなければならない
就労ビザの申請には、雇用契約書の提出が必須です。ところが、多くの社長が「内定が出たから」と、入社日を明記した通常の契約書をそのまま提出してしまいます。
これが大きな地雷です。
ビザ(在留資格)の審査には数ヶ月かかります。その間に不許可が出ても、契約書に「〇月〇日入社」と書いてあれば、その日は法律上すでに到来しています。外国人は就労できないのに、企業側には休業手当の支払い義務や解雇手続きの負担が発生するというリスクが生じるのです。
回避策はシンプルです。雇用契約書に「本契約は、日本国政府による在留資格の許可を条件として効力を生じる」という一文——停止条件の特約——を必ず入れてください。これがあれば、ビザが不許可になった場合、契約は当初から効力を生じなかったものとして扱われます。企業側の債務リスクを丸ごと回避できます。
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「業務全般」と書いたら、専門性がないとみなされて一発不許可になる
日本人採用では「総合職」「業務全般」という記載が一般的です。しかし就労ビザ、特に「技術・人文知識・国際業務」の審査では、業務内容に専門性があるかどうかが厳格に問われます。
「現場作業も含む」「一般事務」——こういった曖昧な書き方は、入管から「単純労働ではないか」と疑われる根拠になります。専門性が認められなければ、不許可です。
さらに、もう一つ見落とされがちな条件があります。申請する外国人の大学等での専攻と、契約書に記載した業務内容が一致していることも必須です。理系の専攻なのに「通訳・翻訳業務のみ」では整合性が取れず、審査で引っかかります。
契約書には、「ITエンジニアとしてのシステム開発・運用業務」「海外取引先との商談および通訳・翻訳業務」など、申請する在留資格の活動範囲に合致する、具体的かつ専門的な職務内容を記載してください。抽象的な記述は、それだけで不許可リスクを高めます。
「日本語の契約書にサインさせたから大丈夫」は、後で訴訟の火種になる
労働基準法は、労働条件を「労働者が理解できる方法で明示すること」を求めています。日本語能力が十分でない外国人に、日本語だけの契約書にサインさせた場合、後に解雇・未払い残業代・ハラスメントなどの労務トラブルが起きたとき、「内容を理解していなかった、だから合意は無効だ」と主張されるリスクがあります。
これは法的にも十分な根拠になりえます。
対応策は明確です。雇用契約書または労働条件通知書に、本人の母国語または英語の翻訳を必ず併記してください。さらに、署名を取る前に口頭でも内容を説明し、「理解した」という確認を取ることが、コンプライアンスおよびリスク管理の両面から不可欠です。
「翻訳の手間が惜しい」という感覚は、後になって数百万円規模のトラブルに化けることがあります。面倒でも、ここは省かないでください。
契約書の不備は「ビザ審査の失点」と「入社後の法的リスク」の両方を同時に招く
雇用契約書は、入管が審査を行う際に最初に確認する最重要書類です。日本人用フォーマットの流用は、審査の不許可と、入社後の法的紛争、その両方を同時に呼び込む行為です。
今一度、自社の外国人向け雇用契約書を点検してください。チェックすべきは3点です。
- 停止条件の有無:ビザ不許可時に契約を無効とする条項が入っているか。
- 業務内容の具体性:在留資格の要件を満たす専門的な職務内容が明記されているか。専攻との整合性は取れているか。
- 言語対応:本人が確実に理解できる言語で作成、または翻訳が添付されているか。
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- 外国人向け雇用契約書には「停止条件」を必ず入れる。ビザが落ちても企業に債務は発生しない。
- 業務内容は「総合職」「業務全般」ではなく、在留資格に対応した専門的な職務を具体的に書く。専攻との整合性も必須。
- 日本語だけの契約書は後の労務トラブルで「合意無効」と主張される火種になる。母国語または英語の翻訳を必ず添付する。
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