社長さん!あなた逮捕されますよ!!16 「優秀なアルバイト留学生を、卒業後も正社員で雇いたい」と思ったら
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!/はぶ行政書士事務所の羽生です。
「うちのアルバイト留学生、本当によく働いてくれる。卒業したらそのまま正社員で雇いたいんだが……」
その気持ち、よくわかります。でも社長、そこには「ビザの切り替え」という高い壁が存在します。
知らずに進めると、「採用したのに働かせられない」「現場に出したら不法就労」という最悪の事態が待っています。今日はその落とし穴を、全部お話しします。
Contents
【この記事の重要ポイント】
- 「4月入社なら1月末までに申請を」入管庁の通達を知っているか?
- 「仕事内容」と「学歴」が一致しないとビザは下りない
- 現場作業に出したいなら「特定活動46号」という選択肢がある
- 給与は「日本人と同等以上」が絶対条件——新卒だから安くていい、は通用しない
「4月入社なら1月末までに申請を」入管庁の通達を知っているか?
まず押さえるべきは、スケジュールです。
毎年1〜3月、卒業を控えた留学生の在留資格変更申請が一斉に集中します。そのため審査は極めて混み合い、出入国在留管理庁は公式に次のようなアナウンスを出しています。
「4月1日からの就労を希望する場合、12月1日から1月末までの間に申請を済ませること」
社長、この期限を知らずに2月・3月になってから動き出した会社が毎年どうなるか分かりますか? 「内定は出したのに、ビザが間に合わず働かせられない」——そういう事態が現実に起きています。
留学生が「3月卒業予定」なら、今すぐ動き始めてください。書類の準備には時間がかかります。
「仕事内容」と「学歴」が一致しないとビザは下りない
「アルバイトのときは何でもやらせられたのに、正社員にしたら仕事が制限されるの?」——そうです、まさにその通りです。
アルバイト中は「資格外活動許可」の範囲内でいろいろな業務ができました。しかし正社員として就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)を取る場合、本人が大学等で学んだ専攻と、会社が任せる仕事に「関連性」が必要です。
例えば「経済学部卒」の人を「工場のライン作業」や「コンビニ接客専任」に就かせることは、原則できません。これが社長にとって最大の誤算になるパターンです。
「頑張り屋だから現場から育てたい」——その気持ちは理解できます。でもそれはビザの世界では通用しない論理なのです。
▷関連記事:Vol.34 なぜコンビニや単純事務でビザが下りないのか?
「現場に出したい」なら「特定活動46号」という選択肢がある
「だったら、現場のリーダー候補として育てる夢は諦めるしかないのか?」——いえ、諦める必要はありません。
そのための在留資格が、「特定活動(本邦大学卒業者)」、いわゆる告示46号です。日本の4年制大学(または大学院)を卒業し、高い日本語能力を持つ外国人にのみ認められた特別な許可です。
活用できる条件は次の通りです。
- 日本の4年制大学(または大学院)を卒業していること
- 日本語能力試験N1、またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を保有していること
この条件を満たせば、製造ラインでの作業、飲食店・小売店での接客業務を含む幅広い業務に従事することが可能です。通常の就労ビザよりも「専攻と業務の関連性」の判断が柔軟になります。
ただし注意点があります。日本語を一切使わない「単純作業のみ」は認められません。あくまで「日本語での円滑なコミュニケーション」を要する業務であることが前提です。
また、2025年12月からは日本の大学卒業者等を対象に提出書類を大幅に簡略化できる新制度も始まっています。一定条件を満たせば決算書等の一部書類を省略でき、よりスピーディーな申請が可能です。
▷関連記事:Vol.5 在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは?
給与は「日本人と同等以上」が絶対条件——「新卒だから」は通用しない
どの在留資格であっても、これは変わりません。
「新卒だから」「外国人だから」という理由で、日本人社員より低い給与を設定することは一切認められません。
入管審査では、同じ仕事をする日本人社員と同等以上の報酬を支払っているかが厳しくチェックされます。月給でも時給でも関係ない。比較対象となる日本人と「同等以上」でなければ、申請はその場で弾かれます。
「せっかく優秀な人材を安く採れると思っていたのに」——その発想自体が、今の入管法の世界では通用しません。お気をつけください。
【今回のまとめ】
- 4月入社を目指すなら1月末が申請の実質的な締め切り。今すぐ準備を始めること。
- 就労ビザは「学歴×仕事内容の関連性」が必須。現場作業専任は原則NG。
- 現場に出したい場合は「特定活動46号」を検討。ただしN1またはBJT480点以上が条件。
【リスクを放置していませんか?対応は早いほど選択肢が残ります】
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