社長さん!!あなた逮捕されますよ!!~59~ 監査と立ち入り調査への備え。現場の「逃げ隠れ」が招く、即時の受入れ停止。
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!/はぶ行政書士事務所の羽生です。
「入管の調査が来たら、適当に話を合わせておけ」「都合の悪い書類は、とりあえず隠しておけ」
——もし現場にそんな指示を出しているなら、今すぐやめてください。その場しのぎの一手が、会社を5年間止める引き金になります。
外国人雇用・入管手続きを専門に扱う行政書士として、実際の調査対応の現場で見てきたことをもとに、社長が踏みやすい地雷を順番に解説します。
Contents
【この記事の重要ポイント】
- 「今日は担当者が不在で」——入管の立入検査は”拒否”も”先延ばし”もできません
- 「とりあえず出勤簿を直しておけ」——書類の書き換えは”組織的犯罪”に化けます
- 「一度くらいの不備なら」——その油断が、5年間外国人を雇えない会社をつくります
- 「調査なんて来てほしくない」——でも、慌てない会社だけが生き残ります
「今日は担当者が不在で」——入管の立入検査は”拒否”も”先延ばし”もできません
多くの社長が、こう考えています。「アポなしで来ても、担当者がいないと言えば、出直してくれるだろう」。これが最初の勘違いです。
地方出入国在留管理局の調査官は、事前の通告なく事業所や現場に現れます。これは入管法第19条の20に基づく「報告徴収・立入検査」という公的な権限です。これを拒んだり、虚偽の回答をしたりした場合、それ自体が30万円以下の罰金(入管法第71条の4第2号)の対象になります。
「担当者がいないので」と追い返す、調査を先延ばしにする——それだけで「適正な受け入れがなされていない」と判断される材料になります。さらに厄介なのは、現場で働く外国人本人へのヒアリングです。社長の前では言えない労働環境や待遇の実態が、本人の口から直接、調査官に伝わります。調査官が来た瞬間、すでに勝負は始まっているのです。
正しい順番は、こうです。立入検査は断れません。だから「いつ来てもいい」状態を日頃からつくっておく——これが唯一の正解です。
「とりあえず出勤簿を直しておけ」——書類の書き換えは”組織的犯罪”に化けます
調査の連絡を受けて、慌てて出勤簿を書き換える。特定の外国人を、その日だけ現場から外す。よくあるパターンですが、これは事態を最悪の方向に導きます。
提出書類に不自然な修正跡があったり、外国人本人の供述と書類の内容が食い違ったりすれば、「組織的な隠蔽」とみなされます。そうなると話は一段跳ね上がり、単なる行政上の不備ではなく、不法就労助長罪の捜査対象に切り替わります。この罪の罰則は、現行で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)。さらに2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金へと引き上げられます。一度「組織的に嘘をつく会社」と認定されれば、その後の弁明は一切聞き入れられません。
正しい順番は、こうです。書き換えは絶対にやらない。不備は隠すのではなく、正直に申告して是正する——それが刑事事件化を防ぐ唯一の道です。
▷関連記事:Vol.58 虚偽申請の代償。書類の「書き換え」と「黙認」が招く、刑事罰と5年間の受け入れ停止。
「一度くらいの不備なら」——その油断が、5年間外国人を雇えない会社をつくります
「一回くらいの書類の不備なら、注意されて終わりだろう」。そう高をくくる社長ほど、危険です。
立ち入り調査で重大な違反や不誠実な対応が確認されれば、情状酌量の余地なく処分が下されます。「不正又は著しく不当な行為」による欠格事由に該当すると、処分から5年間、特定技能外国人を一切受け入れられなくなります。しかも事実は入管だけでなく、各分野の主務大臣にも通知されます。建設分野なら国土交通省、外食・製造なら農林水産省、といった具合です。一箇所の現場での「逃げ」が、会社全体の全事業所・全在留資格に波及します。5年間、外国人を一人も雇えない。これが調査への不誠実な対応が招く現実です。
正しい順番は、こうです。5年間の受け入れゼロは経営を直撃します。だから不備は”小さいうち”に正す——後回しが、いちばん高くつきます。
▷関連記事:Vol.57 登録支援機関への「丸投げ」が招く監督責任。経営者が負うべき、最終的な法的義務。
「調査なんて来てほしくない」——でも、慌てない会社だけが生き残ります
正直に言います。調査官は「完璧な会社」を探しに来ているわけではありません。「調査官=粗探しに来る敵」と身構える社長は多いですが、これも勘違いです。
調査官が見ているのは、誠実に対応しているか、隠していないか——その一点です。書類は、いつ来ても即座に提示できる状態で整理されていますか。本部で作った書類と、現場の実態に矛盾はありませんか。外国人本人が不満を抱えたまま、放置されていませんか。この3つに胸を張って「はい」と言えるなら、調査は怖くありません。
正しい順番は、こうです。調査を「敵対」ではなく「適正運営を証明する機会」と捉える。日頃の積み重ねだけが、調査当日の”余裕”を生みます——準備している会社だけが、生き残ります。
【まとめ】調査・監査で社長が覚えておくべきこと
- 入管の立入検査は拒否も延期もできない。非協力それ自体が、違反の証拠になる
- 書類の書き換え・口裏合わせは「組織的犯罪」と認定され、不法就労助長罪の捜査対象になりうる
- 一度の隠蔽で最長5年の受け入れ停止。処分は全事業所・全在留資格に波及する
【「うちは大丈夫か?」と思ったら、その直感は当たっています】
外国人雇用のコンプライアンス違反は、「知らなかった」では済まされません。経営者本人が刑事責任を問われる例が、現実に起きています。
でも、この記事を読んでいる時点で、あなたはまだ間に合う側にいます。対応は早いほど、打てる手が残ります。
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〔ここから先は、相談のあと・必要になった場合だけの話です。今すぐ申し込むものではありません〕
| ステップ | 内容 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 1. コンプライアンス診断 | 現状のリスクを調査し、改善点を特定 | 33,000円 |
| 2. 適正化・書類作成 | 適正な書類と管理体制を再構築 | 66,000円 |
| 3. 申請・管理代行 | 入管対応からその後の更新まで並走 | 33,000円 |
