外国人は本当に安い労働力なのか? Vol.3 ~「特定技能の初期費用はいくら?採用ルートで30万〜200万円変わる理由」~
前回は育成就労の初期コストをお伝えしました。今回は「特定技能」の初期コストについてお伝えします。
育成就労と特定技能は、似ているようで構造がかなり違います。費用の種類も、発生するタイミングも異なります。混同したまま採用計画を立てると、後で必ずズレが出ます。しっかり整理しておいてください。
※この記事は、外国人雇用・在留資格を専門とする行政書士・羽生が、実際の相談現場で見てきた事例をもとに解説しています。
Contents
特定技能とは何か、まず簡単に
特定技能は、一定の専門性・技能を持つ外国人が日本で就労できる在留資格です。育成就労が「3年かけて育てる制度」であるのに対し、特定技能は「即戦力として雇う制度」という位置づけです。
特定技能1号(最長5年)と特定技能2号(期間制限なし)があり、2号になると家族の帯同も可能になります。
育成就労と大きく違う点がもう一つあります。特定技能では、受け入れ企業が「支援計画」を作成し、外国人労働者の生活支援まで義務として担う必要があります。これが「登録支援機関」というコストに直結します。この話は次回の月次コスト編で詳しくお伝えしますが、初期費用にも関わってくるので頭に入れておいてください。
特定技能の初期コスト:主な内訳
在留資格申請費用(行政書士等への委託費)
特定技能の在留資格申請は、準備しなければならない書類が非常に多く、複雑です。多くの受け入れ企業が行政書士や登録支援機関に委託します。委託費用の相場は1名あたり12万円〜20万円程度です。
人材紹介会社への紹介料
海外から特定技能外国人を採用する場合、人材紹介会社を通じるケースが多いです。紹介料の相場は1名あたり10万円〜30万円程度ですが、送出国によって幅があります。
送出機関への費用(海外採用の場合)
海外から直接採用する場合は、現地の送出機関への費用が発生します。国によって異なりますが、ベトナムで20万円〜40万円、フィリピンで15万円〜30万円、インドネシアで10万円〜30万円程度が相場です。
なお、国内在住の技能実習修了者を特定技能に移行させるルートでは、この送出機関費用がかかりません。採用コストを抑えたい場合、このルートは有力な選択肢になります。
渡航・入国にかかる費用
海外から採用する場合は、航空券・査証申請費用・入国時の移動費などが発生します。国内採用・移行の場合はこの費用はかかりません。
住居の準備費用
海外から採用する場合、受け入れ企業が住居を用意するケースがほとんどです。敷金・礼金・家具家電の費用が発生します。国内在住者で本人が住居を準備できる場合は、この費用は不要です。
育成就労と比べてどう違うのか
育成就労の初期費用は1名あたり50万円〜90万円程度が相場でした。特定技能は採用ルートによって30万円〜200万円以上と幅が大きいです。
ただし、国内で技能実習を修了した人材を特定技能に移行させる場合は、渡航費・送出機関費が不要になるため、初期費用を大幅に抑えられます。
「どのルートで採用するか」によってコストが全然違う——これが特定技能の特徴です。安易に「特定技能の方が安い」とは言えません。
「特定技能は簡単で安い」と思っている社長に、実際に起きること
面談でよくこうおっしゃる社長さんがいます。
「特定技能って、育成就労より簡単で安いんですよね?」
そう思っていらっしゃる方が、本当に多いです。でも実態は違います。採用ルート・送出国・支援体制によって費用は大きく変わりますし、雇った後には「支援計画の作成」「生活支援」といった義務がずっと付いてきます。
私が制度の中身を一つひとつ説明していくと、ほとんどの社長さんが「思っていたのと全然違う」という顔をされます。手続きの複雑さ、初期にかかる費用、そして就労させたあとも続く義務の多さ——ここで初めて、現実の重さに気づかれるわけです。
そういう社長さんに、私はこうお伝えすることがあります。
「リクルート費を増やしてでも、まず日本人を募集したほうが、後々ラクですよ」
これを正直にお伝えすると、多くの社長さんが「外国人雇用は一旦やめておこう」という判断に落ち着かれます。外国人雇用が悪いという話ではありません。制度の全体像と、雇った後まで続くコスト・義務を正しく理解したうえでも「それでもやる」と言える体力と覚悟があるかどうか。そこを見ないまま「なんとなく安そう」で進めると、必ず後で詰まります。
「安いから外国人」ではなく、「自社の状況に本当に合っているか」で判断する。これが、後悔しない採用の順番です。
【まとめ】特定技能の初期コストで覚えておくべきこと
- 在留資格申請委託費・人材紹介料・送出機関費・渡航費・住居費など、採用前から複数の費用が発生する
- 採用ルートによって初期費用は30万円〜200万円以上と大きく変わる。「特定技能は安い」とは一概に言えない
- 費用だけでなく、雇った後も支援義務が続く。総合的に見て、日本人募集のほうが結果的にラクなケースも多い
【採用ルートによって費用が全然違う。整理してから動いていますか?】
この記事を読んで「思ったより複雑だな…」と感じた社長さんへ。
特定技能の初期費用は、どのルートで採用するかによって大きく変わります。「とりあえず安そうなところに頼んだ」では、後から想定外の費用が発生するケースが少なくありません。
「うちの業種・状況だとどのルートが合っているか知りたい」「そもそも外国人を雇うべきか、日本人募集と比べて判断したい」——そう思ったら、まずは一言だけ送ってください。
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| ステップ | 内容 | 費用(税込) |
|---|---|---|
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| 2. 適正化・書類作成 | 診断に基づき、適正な書類と管理体制を再構築します | 66,000円 |
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