社長さん!あなた逮捕されますよ!!13 不法就労助長罪:「知らなかった」で済まないための最低限の確認実務



社長さん!!あなた逮捕されますよ!!/はぶ行政書士事務所の羽生です。

「在留カードを見た」「コピーを取った」──その確認、法律上は「やっていない」と同じです。
不法就労助長罪で「過失なし」と認められるには、具体的な手順と記録が必要です。
今回は、経営者が最低限やっておくべき確認実務を整理します。

【この記事の重要ポイント】

「そんな偽造カードだとは思わなかった」──調査官にはまったく響かない

入管法第73条の2第2項には「過失のないときは、この限りでない」とあります。つまり過失がなければ罰せられない。──しかし、実務では「過失なし」と認められるハードルは極めて高いのが現実です。

調査が入った段階で、確認不足が少しでもあれば「過失あり」とみなされます。会社側は「やるべきことをすべてやった」という客観的な証拠を示さなければなりません。「そんなつもりじゃなかった」という弁明は一切聞いてもらえないと思ってください。

▷関連記事:Vol.11 不法就労助長罪の基本と罰則

カードのコピーを取っただけ──それは「確認した」とは言えない

在留カードの確認は、以下の2ステップが必須です。どちらか一方だけでは不十分です。

  • 物理的確認(原本):ホログラムの輝き・傾けたときの色の変化など、入管が公表しているチェックポイントを実際に手に持って確認する
  • デジタル確認(公式アプリ):出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」を使って、ICチップ内の情報と券面の印字が一致するかを照合する

スマートフォンにアプリをインストールしておけば、採用時に現場でその場で確認できます。コストゼロでできる最大の防衛策です。準備がまだであれば今日中に入れてください。

「在留資格は見た。でも業務内容と合ってるかは…」──そこが一番重要です

在留カードが本物であっても、その在留資格で自社の業務ができるかどうかは別問題です。確認すべき点は2つあります。

  • 裏面の確認:資格外活動許可の有無・就労制限の有無を正確に読む。特に留学生は裏面に就労制限が記載されている
  • 業務内容との照合記録:「いつ・誰が・どのアプリで確認したか」を社内記録として残す。在留カードの両面コピーとセットで保管する

記録がなければ「確認した」という主張は通りません。手順だけでなく、証拠としての記録が必要です。

▷関連記事:Vol.12 資格外活動・業務不一致の具体的リスク

「担当者が管理しているはず」──個人任せは管理体制の不備と判断される

採用時に一度確認して終わり、では不十分です。在留期限は更新されることもあれば、切れたまま放置されることもあります。組織として期限を継続管理する仕組みが必要です。

  • 全外国人スタッフの在留期限を一元管理する台帳を整備する
  • 期限が切れる3か月前にアラートが出る運用ルールを作る
  • 担当者が退職・異動しても管理が止まらない体制にする

期限切れのまま就労を継続させた場合、「管理体制の不備」として過失認定の大きな根拠になります。「知らなかった」ではなく「見逃していた」と判断されます。

最後に一点、強く申し上げます。今回挙げた手順をすべて実施しても、それで「確実に過失なし」とはなりません。これはあくまで最低限の防衛ラインです。常に緊張感を持って運用してください。

【この記事のまとめ】

  • 「過失なし」の認定は極めて難しい。弁明ではなく客観的な証拠が必要
  • 在留カードは原本の目視+公式アプリによるICチップ照合の二重確認が必須
  • 確認の記録・業務内容との照合・組織的な期限管理の3点が最低限の防衛ライン

【リスクを放置していませんか?対応は早いほど選択肢が残ります】

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