社長さん!!あなた逮捕されますよ!!21 ~中途採用者を採用するときの注意点~
社長さん!!あなた逮捕されますよ!!/はぶ行政書士事務所の羽生です。
「在留ビザを持っている即戦力なら、カードを見ればすぐ雇える。」
その判断が、不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)の入り口です。
中途採用の外国人は、在留カードの「期限」だけでなく、「在留資格の種類」と「御社の職務内容の組み合わせ」を確認しなければ、即日入社させた瞬間に違法状態になる場合があります。今回は、採用パターン別に「変更申請が要るケース・要らないケース」を整理します。
Contents
【この記事の重要ポイント】
- 「留学ビザを持っている=すぐ働ける」は大間違い。入社前に変更申請が完了していなければ不法就労です。
- 「特定技能」や「高度専門職」は会社名が指定されているため、転職のたびに変更申請が必要です。
- 「技人国」で同職種の転職でも、14日以内の届出義務と就労資格証明書の取得を怠ると、後の更新で不許可になります。
- 面接時に在留カードで確認すべき3つのチェックポイントとは?
「留学ビザを持っている=すぐ働ける」は大間違い。入社前に変更申請が完了していなければ不法就労です。
留学生を採用する場合は、職種を問わず例外なく「在留資格変更許可申請」が必要です。留学ビザは「学業を目的とした滞在」を許可するものであり、フルタイムの就労は認められていません。
よくある失敗パターンは「内定を出して入社日を決めたあと、変更申請の準備を始める」というものです。4月入社を想定するなら、前年の12月〜1月中に申請を終えていないと、審査が間に合わないリスクがあります。
「本人が在留カードを持っている=問題ない」ではありません。在留資格の種類が「留学」のままで就労させた時点で、経営者は不法就労助長罪に問われます。「知らなかった」では免責されません。
▷ 関連記事:Vol.5 在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは?
「特定技能」や「高度専門職」は会社名が指定されているため、転職のたびに変更申請が必要です。
就労ビザを持つ転職者を採用する場合、ビザの「種類」によって手続きが大きく変わります。入社前に変更申請が必須になるケースは以下のとおりです。
①職務内容が大きく変わる場合
たとえば「技術・人文知識・国際業務」(事務職)を持つ人が、御社で「技能」(調理師等)として働く場合は、在留資格の活動根拠自体が変わるため、事前の変更申請が必要です。
②「会社指定型」のビザを持っている場合
以下の在留資格は、許可時に「特定の会社で働くこと」を条件としています。
- 特定技能(1号・2号):転職のたびに、新たな雇用先での変更申請が必要です。ビザ期限が残っていても、御社での就労は開始できません。
- 高度専門職(1号):パスポートに貼付された指定書に会社名が記載されているため、転職時は必ず変更申請が必要です。
- 特定活動(46号・本邦大学卒業者):日本の大学卒業生向けの資格ですが、契約機関が指定されているため、転職時は変更申請が必要です。
社長が「同業他社からの転職だから問題ない」と判断して即入社させるケースが非常に危険です。特定技能は同業でも、転職先(=御社)を対象とした変更申請の許可が下りるまで、就労はできません。
▷ 関連記事:Vol.42 特定技能の「転職」と「失踪・解雇」の罠
「技人国」で同職種の転職でも、14日以内の届出義務と就労資格証明書の取得を怠ると、後の更新で不許可になります。
「技術・人文知識・国際業務」や「技能」など、会社名が指定されていない一般的な就労ビザを持つ転職者については、前職と職種が変わらない場合、変更申請なしに次回の更新まで現在のビザで就労できます。
ただし、この場合でも2つの手続きを理解しておく必要があります。
①所属機関等に関する届出(義務)
転職から14日以内に、本人がオンラインまたは郵送で入管庁へ「所属先が変わった」旨を届け出なければなりません。これは本人の義務ですが、採用側の社長が把握していない・教えていないケースが多く、届出漏れが続くと本人の在留管理上のリスクになります。
②就労資格証明書の取得(任意・強く推奨)
義務ではありませんが、「御社の業務内容が現在のビザで問題ない」という入管庁からのお墨付きを事前に取る手続きです。これを取得していない場合、数年後の更新時に「実は職種が合っていなかった」として不許可になるリスクがあります。転職時点で時間的余裕があるなら、取得しておくことが御社を守る保険になります。
面接時に在留カードで確認すべき3つのチェックポイントとは?
中途採用の面接では、在留カード表面の期限だけを見て「ある=大丈夫」と判断するのが最大の落とし穴です。以下の3点を必ず確認してください。
チェック1:在留資格の種類を確認する
「留学」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「技能」「高度専門職」など、種類によって手続きが全く異なります。カードの在留資格欄を必ず読んでください。
チェック2:「会社指定型」かどうかを確認する
特定技能・高度専門職・特定活動(46号)の場合は、パスポートに貼付された指定書または資格外活動許可書の内容も確認が必要です。会社名が入っていたら、即入社は不可です。
チェック3:職務内容の一致を確認する
技人国等の場合でも、前職と御社での職務内容が一致しているかを確認してください。一致していない場合は変更申請が必要です。一致しているが不安な場合は、就労資格証明書の取得を専門家に相談することをお勧めします。
まとめ
- 「ビザを持っている=すぐ働ける」は危険な判断。在留資格の種類と職務内容の組み合わせを必ず確認する。
- 特定技能・高度専門職・特定活動(46号)は会社指定型のため、同業転職であっても入社前に変更申請の許可が必要。
- 技人国等の同職種転職では変更申請は不要だが、14日以内の届出と就労資格証明書の取得を徹底することで御社のリスクを最小化できる。
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